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AVメーカー「新作を出しても儲からない…」

身分や職業にかかわらず権利は守られるべきだが、実際には格差があるのが現実だ。著作権保護においても、そういった格差が生じつつある。ネット上の違法動画への遵法意識が高まる一方で、同じ動画でも保護されづらいジャンルが存在する。その結果生まれつつある危険と広がる治安の低下について、ライターの宮添優氏がレポートする。

一方で、漫画やテレビ映画などの映像、音楽作品だけが「コンテンツ」ではない。とある業界では、違法コンテンツの蔓延が手に負えないだけでなく、自身の著作権を声高に主張できない現実がある。それは、R18業界だ。

「然るべき許可を得て、出演者、製作陣にも正当な対価を払い、法に則って流通させ販売しています。それでも、今日発売した作品が、同時に違法サイトにアップロードされます。たとえば、とある有名女優の新作が出ても、DVDとして売れるのは数千本が限界で、ダウンロードされてもだいたいそれくらい。作品を見るほとんどの人、おそらく8割くらいは“違法サイト”を通じて見ているのです」

こう話すのは、都内の有名メーカー関係者。多い時で月に百数十本の“新作”をリリースしているが、直後に違法アップロードされるため、売り上げが落ちると嘆く。閲覧者の8割が違法サイト経由、ともなれば目の上のたんこぶどころではなく、資産をごっそり奪ってゆく“泥棒”そのもの、なはずだが「作品が作品だけに」(メーカー関係者)権利を声高に主張したところで、漫画や普通の映像作品のように、訴えを世間が聞き入れてくれるのか、不安が残るという。

実際に、こうしたメーカーの声を受けて、日本国内の弁護士らが対応に当たっている事例もあるが、とにかく違法アップロードサイトの数が多すぎるため追いつかない。また、首謀者を突き止めようとも大変な労力を要するために、結局のところ野放し状態になっているのが実情だ。都内の法律事務所関係者も肩を落とす。