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韓国 | 米大手格付け会社が発表「韓国企業の大量“格下げ”」

米大手格付け会社が発表「韓国企業の大量“格下げ”」

韓国経済に対する国際社会の視線が厳しさを増している。米大手格付け会社が、韓国の民間企業について、軒並み「格下げを検討またはネガティブな見通しを示している」と発表。韓国財界からは通貨危機の1997年や金融危機があった2008年より「さらに厳しい」と悲鳴が上がる。失政続きの文在寅(ムン・ジェイン)政権の「反日」が、韓国経済の独り負けをもたらすのか。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスの報告書は「韓国の民間企業24社のうち13社についてネガティブな見通しまたは格下げを検討している」とした。ポジティブな見通しの会社はなかった。今後12カ月間で韓国企業の信用力が一段と低下すると予想。米中貿易戦争の影響が大きく、半導体、石油精製、石油化学の3業種が最も悪化したという。

ニッセイ基礎研究所生活研究部准主任研究員の金明中(キム・ミョンジュン)氏は、「輸出への依存度が非常に高い韓国経済は、米中貿易戦争のあおりを大きく受ける。さらに対国内総生産(GDP)比でみた大企業の売上高割合も40%を超える」と分析する。

左派の文政権は、サムスンなど財閥企業を「庶民の敵」とみなして解体政策を進めてきた。ところが文大統領は今年4月に同社の工場を訪問し、「政府も積極的に助ける」と言い出した。

金氏は「文政権による急激な賃上げ政策が尾を引いたためだろう。企業の負担を増やした最低賃金の引き上げは雇用にマイナスの影響を与え、週52時間勤務制の実施により労働時間を減らした結果、労働者間の格差が拡大する結果となった。このような政策の失敗により、大企業にテコ入れをせざるを得なくなった」との見方を示す。

それなら経済重視に専念すればよいものを、「反日」を掲げる文政権は、日本製品の不買運動を放置した。ソウルや釜山(プサン)の議会では日本企業の一部を「戦犯企業」として、製品を購入しないよう努力義務を設ける条例を可決した。ソウル近郊の京畿道(キョンギド)議会では、日本製の学校備品に「戦犯企業」のステッカーを貼り付ける条例が可決・成立するという異常さだ。日本企業に「出て行ってくれ」と促しているとしか思えない。

日産自動車が韓国撤退を検討と報じられ、ガラス大手のAGCも韓国の工場閉鎖を検討している。同社は「日韓関係の悪化は関係がない」としている。

これらの件は別にしても、いわゆる「元徴用工」訴訟では日本企業の資産が差し押さえられる事態となった。「戦犯企業」なるレッテルまで存在し、韓国に組織や資産を置いておくのは危険と考える日本企業が出てきてもおかしくない。

一方、日本政府は半導体製造に必要なフッ化水素などの輸出管理を強化し、韓国を「グループA(『ホワイト国』から改称)」から“降格”させたのに対し、LGディスプレイはフッ化水素を100%国産化に切り替える方針だと報じられた。

前出の金氏によると、半導体の重要品目の国産化に成功したとしても、外的要因の影響を大きく受ける韓国経済の回復には1~2年かそれ以上の期間を要するという。「フッ化水素の国産化ができても、日本にグループAから除外された今、先行き不透明な状態は変わらない」と分析する。

10日の中央日報(日本語電子版)は、韓国の経済団体、全経連の権泰信(クォン・テシン)副会長が「韓国経済は1997年のアジア通貨危機や2008年の金融危機の時よりさらに厳しい」との診断を下したと報じた。1997年の通貨危機で韓国は、国際通貨基金(IMF)に経済支援を要請し、08年にはリーマン・ショックのあおりを受けウォンが急落するピンチに見舞われた。

なぜ韓国の危機感が強いのか。朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は「韓国全経連は日本の経団連に相当し、韓国経済を担っている。それだけにウォン安や日本との通貨スワップ協定を結べない状態が韓国経済の信用を失っているという現実的な危機感を持っているのだろう」と分析する。

疑惑だらけのチョ国(チョ・グク)氏を法相に任命し、「反日」を進める文政権について、松木氏は「文大統領の頭にあるのは、来年4月の総選挙に向けて支持率を保ち、悪化する経済から国民の目をそらすことだ。財閥を解体し、経済を弱体化させるのは社会主義をもくろむ文政権の方向性ともいえる。経済悪化も『日本のせい』にしたいのだろう」と断じる。文政権が続く限り、経済不振も長引きそうだ。

日本、冷静な対韓「世論戦」

日本政府が8月に輸出管理をめぐり安全保障上の優遇対象国から韓国を除外して以降、韓国政府は貿易と関係のない分野でも国内外で対日批判を強めている。都合良く解釈した一方的な報道発表も目立つが、日本政府は韓国と同じレベルの応戦で国際社会に「どっちもどっち」と捉えられないよう、事実に基づいて発信する「世論戦」を静かに進めている。

「汚染水の処理問題は、世界全体の生態系に影響を与えかねない」

韓国の科学技術情報通信省などは今月5日の報道発表で、東京電力福島第1原発で保管中の汚染水浄化後の「処理水」についてこう主張した。国際原子力機関(IAEA)に「深刻な懸念」を伝えたとも明らかにした。

外務省は6日、韓国側に抗議した。韓国側の主張は科学的根拠がなく、処理水の処理方法が海洋放出と決まったかのような前提で議論を展開していたためだ。

韓国政府は16日からウィーンで開幕するIAEA総会でも、同様の主張を展開するとみられる。日本政府は反論する予定だが、外務省幹部は韓国側の狙いを「科学的根拠はどうでもよく、輸出管理厳格化への対抗として日本のイメージを毀(き)損(そん)できればいいのだろう」と見る。

韓国政府の動きにはこの前段がある。

「日本側に情報公開などを積極的に要請していく計画だ」

韓国外務省の報道官は8月13日、処理水に関し、こう表明した。日本政府は昨年10月以降、在日本韓国大使館に計4回、個別に説明してきた。報道官の発言は、日本政府が説明を行っていないかのような印象を与えるとして、在韓国日本大使館の西永知史公使は8月19日、韓国外務省に抗議に出向いた。

ところが、韓国外務省は、西永氏を呼んで処理水の扱いについて説明を求めたと発表した。日本側は「招致としてではなく、わが方の立場を申し入れるため訪問した」と抗議した。

韓国政府は事実に沿わない主張をする一方、日本絡みの不都合な情報について隠したり、曲解して伝えたりもしている。

韓国外務省は8月末、チリで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の高級実務者会合で、日本の対韓輸出管理厳格化をめぐり主張したと報道発表した。だが、議長のチリ外務省幹部が「2国間の問題をAPECの場に持ち込むべきではない」と注意したことは公表しなかった。

韓国による日本製産業用バルブへの反ダンピング(不当廉売)課税をめぐり、世界貿易機関(WTO)上級委員会は今月10日、協定違反を認め、韓国に是正を勧告した。韓国の通信社、聯合ニュースなどによると、これに対し韓国側は「9つの実質的な争点のうち8つで勝訴した」などと主張した。日本の外務省幹部は「とどのつまりはWTOが韓国に是正勧告を出すかどうかなのに…」と閉口する。

こうした中、外務省は9月に入り、日韓関係悪化の背景について海外メディアを通じた発信に力を入れている。

河野太郎前外相は米通信社ブルームバーグなどに相次いで寄稿。韓国側が日韓請求権協定の合意事項を一方的に覆し、いまだに国際法違反の状態を是正していないと説明し、いわゆる徴用工問題は「輸出管理の運用見直しとは無関係だ」と強調した。外務省幹部によると、寄稿は「この間の日韓の流れを整理しているため、欧米人の評判がよく、『パワフルだ』との感想が寄せられた」という。